本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
話してる間、獅音は自然に私の手を握って静かに聞いてくれている。

驚く事もせずに。

「亜里沙。よく一人で頑張ってきたな」

話し終わると獅音は私の頭を撫でる。

これまで誰にも話した事なかったし、こんな風に慰められた事もなかった私は思わず泣きそうになってしまう。

「獅音…」

するとぎゅっと抱きしめられる。

「あとどのくらい?」

獅音が抱きしめながら聞いてくる。
私は首を横に振る。

「亜里沙。頼むよ。利息だって馬鹿になんないだろ」

それはそうだけど…
でもこんな…

私はやっぱり首を横に振る。

「俺が払うのが嫌なら、俺に返して」

「そんな!? だめだよ!」

「亜里沙」

制するように名前を呼ばれる。
何故かこうなると何も言えなくなってしまう。

こんな…
甘えてしまっていいのだろうか…
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