本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
「逆の立場になってみろよ」

逆の立場…

もし獅音が…困ってるとしたら…

そっか…
そういう事か…

「獅音…。お願いします。必ず返すから」

「ん」

獅音は私を見つめて優しく微笑んだ。

「それから、亜里沙。ここで一緒に暮らそう」

「ダメだよそこまで!」

「違う。俺が一緒にいたいんだよ」

なんでそこまで…

「というか…ごめん。俺、お前と結婚したい」

「結婚!?」

「亜里沙は…そこまでじゃないよな…」

獅音は少しだけ困ったように笑う。

「俺も…ちょっと驚いてる」

結婚…
でも私、獅音と付き合ったら…

「いくらなんでも早すぎか」

この人の胸に飛び込みたい。

「私が結婚するって言ったら…、獅音嬉しい?」

獅音は目を大きくあける。

「嬉しい。もしそうなったらめっちゃ嬉しい」

その笑顔は少年のように真っ直ぐで、なんだか可愛いとさえ思ってしまう。
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