本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
私も獅音が喜ぶことをしたい。

「結婚しよう、亜里沙。お前が今まで苦労してきた分、俺が残りの人生幸せにしたい」

こんなにも深い愛を感じた事などあっただろうか。
こんなにもその愛を感じて、嬉しいと。

ここまで私を想ってくれて…

私も獅音を幸せにしたい、愛したい。
たくさんたくさん。

私のもってるものなんて何もないけど、私の全てで獅音にこの愛を渡したい。

そっと獅音の頬に手を添えて見つめれば、彼の綺麗な二重の瞳が揺れる。

「愛してるんだ、亜里沙を」

私はコクっと頷く。

「私も…、愛してます。私と結婚してください」

真っ赤な顔をして私は気持ちを込めて伝えた。

口に出してしまえば一気に獅音を想う気持ちが溢れ出す。

もう私の心臓はこれまでの比じゃないくらい忙しなく動いているのがわかる。

この広い部屋に響き渡るくらいに。

獅音はそれは見た事無いほど蕩けるように甘い顔をして微笑んだ。













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