本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
ついに
〜獅音side〜

「山ちゃん」

「どうした?」

「俺、結婚する」

ガタンと音を立てて椅子から立ち上がる山ちゃん。

「亜里沙ちゃんか!?」

「他に誰いんだよ」

「よくやった!」

すっかり山ちゃんは亜里沙を気に入ってしまっている。

リークされて、亜里沙の過去を知った山ちゃんは、亜里沙の健気な姿に感銘を受けたようだ。

一人で逞しく生きてきた亜里沙を親心のように見ている。

亜里沙のストーカーの居場所を突き止めたのも山ちゃんだった。

「ありがとな」

本当に、少しでも発見が遅かったら亜里沙はあのストーカー野郎に何をされていた事か…

想像しただけで恐ろしくなる。

「親父さんには?」

「…今から」

「早いほうがいいんじゃないか?」

「ああ」

こればっかりはしょうがねぇ。
親父に連絡するか。

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