本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
『獅音! パパに連絡くれるなんていつぶりだ!? どうした!? 何か困った事でもあったのか!? なんっでも言いなさい!』

出た出た。

俺もう三十過ぎたオッサンだぞ。

そうなのだ。
俺の親父は、めちゃくちゃ俺が好き。

晩婚だったせいで、幼い頃は授業参観に親父が来れば祖父と間違えられた。

カッコいいおじいちゃんだね!
なんて良く言われ、返答に困る事もしばしばあった。

逆にお袋は若い。
物凄く。

ぽわーんとしててめっちゃ天然だ。

今となってはどっちが親かわかんないほど、俺の方が絶対しっかりしてる。

「親父。俺、結婚する」

『け、結婚!? 大丈夫か!?』

ああ。
それな。

「大丈夫。本気本気。ごめんな? 心配かけて」

『そうか…。うぐっ…ふぐっ…』

おい。
泣き出したぞ。
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