本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
「泣くなよ。近いうち紹介するから」

『ああ。どんなお嬢さんなんだ?』

俺はざっくり亜里沙の生い立ちを話した。

山ちゃんはそれを聞きながら涙ぐんでいる。

『ふぐっ…へぐっ…。そんな…、辛かったろうに…! 今すぐに会わせてくれ! 今日だ今日!』

「今日!?」

『当たり前だろ! 早くしろ! 俺がパパになる!』

なんか親父が言うと変に聞こえるな。
パパ活みたいな。

「親父。自分の事パパって言うのいい加減やめてくれ」

『獅音がパパって呼んでくれないからだろ! 親父親父って!』

「パパなんて今さら呼べるかっつーの」

『わかったわかった。もういいよ。亜里沙ちゃんに呼んでもらうから』

「そういう問題?」

まずいいや。

「んじゃ、夜家まで行く」

『わかった。はぁーたのしみだ!』

「それじゃ。お袋にもよろしく」

そう言って電話を切った。
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