本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
仕事が終わり亜里沙を迎えに家に帰る。

服はこっちで用意したし、亜里沙にも親に紹介すると連絡した。

「ただいま」

玄関を開けて声をかけると、奥のリビングからドタバタと音を立てて亜里沙が姿を現した。

「おかえりなさい! どうしよう! 緊張する! どうしよう!」

めっちゃ興奮してるわ。

「大丈夫だから。落ち着け。はい、これ」

俺は服の入った紙袋を渡す。

「Matt(マット)の服!? 嘘!? 初めて着るよ私!」

「好きなの?」

「好き! でも高くて…とても自分じゃ…」

と言ってもじもじしだす亜里沙。
可愛い。
なんだこいつ。

「着てみな」

「うん! ありがとう!」

そう言ってさっそくその場で着替えようとする亜里沙。

「亜里沙、向こうで着替えな」

「あっ! だよね! やだー!」

なんだか要所要所でお袋と同じ匂いがするんだよな。

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