本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
「俺がバツイチなのも知らなかったしな」

「ええ。その通りですが」

「ん? やっぱり気になっちゃってる?」

「気にならないと言ったら嘘になるかもしれぬ」

するとぎゅっと後ろから抱きしめられた。

「それじゃ、元嫁も今度紹介するよ」

元嫁…
なんかその響きもちょっと…

私、心狭くない!?

獅音がいればいいとか言って、めっちゃわがままばっかりじゃない!?

「くくくく。ごめん。ちょっと意地悪した。元嫁とかってワード初めて使ったわ。あんなん悪いけど嫁でもなんでもねぇ」

「ちょっ、獅音!」

「だってそのヤキモチ妬いてるみたいな膨れた顔も可愛いんだもん。でもなー。今更だけど後悔してるよ俺」

膨れた顔が可愛いって何だよ、もう。

「後悔?」

「ああ。こんなしょーもない過去で、亜里沙をちょっとでも傷つけるみたいで」

「獅音…」

そこまで言われたらな。
なんかどうでも良くなってきたわ。
< 188 / 307 >

この作品をシェア

pagetop