本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
「亜里沙だけ」

「うん。もう大丈夫。幼馴染、放っておけなかったんだもんね」

やっぱり優しいんだよ獅音は。

「いや…そんな綺麗な気持ちではなかったな」

「え?」

「まぁじでどうでもよかった。頼まれたからいーよーって感じ」

「ほんとにそんなノリ!?」

私はギョギョっと獅音を見る。

「引くな引くな」

「かっる!」

「俺、だからべつに優しくないよ。結果的に助けたみたいになってるけど」

「そうかな。獅音、いつも優しいよ」

「お前にだけな。って言っても好きにしてるだけだけど。俺、わがままだから。いつも甘えてる。亜里沙に」

やっぱり甘えてたんだ。
可愛いなって思ってたけど。

「ふふふ。嬉しい。可愛い」

獅音はクスッと笑う。

「俺を可愛いだなんて言うのはお前だけだよ」

なら私にだけ見せてくれてるのかな。
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