本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
下を向いていた事もあり誰かと肩がぶつかってしまう。

「すみません!」

私はそれだけ言って走り去った。

ヤバい!
今日は過去一ギリギリかもしれない。
私の出番前のLIVEが押したせいで予定より遅くなってしまった。

しかもよりによって今日のclubは駅から少し距離がある。

人の間を潜り抜けひたすら走る。

ゼェゼェ息を切らし電車に乗り込んだ瞬間、扉がプシューっと音を立てて閉まった。

ま、間に合った…

マスク苦し。
私は一度マスクを外し呼吸を整える。

この終電を逃したら帰れなくなる。

そして最寄りの駅まで到着して電車を下り、暗い夜道をまた走って帰った。

「ただいま」

ボロボロのアパート。

疲れた…。

リュックをドサっと置いて、ベッドにメイクも落とさずダイブする。

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