本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
確かに昔から身なりには気を使う人ではあったけど、あからさまにブランドを身につける派手さに、我が親ながらちょっと引く。

「だから何? あなたには関係ないでしょ」

借金だって全て私に押し付けたじゃない。
自分は男の所に行ったくせに。

まぁ、ついて行かなかったのは私だけど。

あの時の母親からは、一応聞くけどって感じで、無言でついてくるなという圧を感じた。

私にとってはもう、母親でもなんでもない。

父親と離婚する前から私には無頓着な人だったし。

父親は女遊びやギャンブル、しまいには酒に溺れて働かなくなったけど、母親とは違って私には優しかった。

だから最後まで働かなくなった父親でも私はなんとかやってこれた。

あんな父親でも嫌いになれなかった。
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