本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
「そっか」

獅音は少し照れくさそうに笑った。

「LiSA、次いつ歌うの?」

「え、来る気?」

「なんで嫌そうなんだよ」

嫌そうな顔をすればジトっと見下ろされる。

「嫌に決まってるじゃん。プロだよ?」

「俺シンガーじゃないし」

「いや、そうだけどさ」

「んで、いつ」

この有無を言わさないような圧はなんだ。
なんかこの人オーラあるよね。

「明日…」

「どこで?」

「REISM(リズム)ってBAR」

「BARでも歌ってんの?」

「うん」

「何時から?」

「本当に来る気!? 目立つからやめなよ」

「LiSAー」

「22時だよっ」

語尾強めで言う。

すると何やら携帯をポチポチ触る獅音。

「あーダメだ。間に合わないな…。打ち合わせ入ってるわ」

よっしゃ!

まさに中学生が授業参観に親に来ないで欲しいみたいなそんな気持ち。
< 42 / 307 >

この作品をシェア

pagetop