本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
「瑠美、おはよ」

「おはよ、昨日お疲れ! さすがだったわ」

コソッと耳元で話す瑠美。

「来てたの!?」

「うん。後ろの方にいたよ! 本当いい歌歌うよね」

「ありがとね」

コソコソと二人で話す。

「あのさ、ちょっと私の携帯に電話かけてもらえる?」

私は両手を前で合わせてお願いする。

「どうしたの?」

「携帯なくしちゃったっぽいんだよね」

「あらら。はい、使って」

そう言って瑠美は私に携帯を貸してくれた。

「ごめんね、ちょっと借りるね」

私は携帯を借りて一度人の少ない非常階段の方へ移動して、自分の番号に電話をかけた。

しばらくコールが鳴るもなかなか出ない。

だめか…

と思った時コールが鳴り止んだ。

『もしもし…』
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