黒澤くんの一途な愛
2. 黒澤くんの彼女(仮)
翌朝。登校してきた私が、下駄箱のところでローファーから上履きに履き替えていると。
「花村栞里」
……げっ。
今一番会いたくない人、黒澤璃久が声をかけてきた。
「なっ、なに?」
「お前、昨日街中でおばあさんと銀髪の男がぶつかったとき、そばにいただろ?」
え? 私に昨日のことを聞いてくるなんて、まさかこの人……あのときの銀髪ヤンキーの仲間とか?
そう思うと、途端に緊張してきて。
ドッドッと、胸の鼓動が速くなる。
昨日の仕返しでもされるのかと、私が身構えたとき。