黒澤くんの一途な愛
放課後。
「花村」
この日の授業が終わり、教室で私が帰りの準備をしていると、黒澤くんが声をかけてきた。
「今日一緒に帰らないか?」
あのあと、黒澤くんと私は同じクラスだということが判明。
昨日と今朝と、銀髪ヤンキー・進藤くんとのことがあったからと、ただでさえ今日はずっと黒澤くんやその仲間が私の近くにいたというのに。
帰りまで彼らと一緒だなんて、さすがにちょっと……。
「一緒に帰るのは、進藤にお前のことを彼女だと言った手前もあるが、何より祖母を助けてくれた礼がしたい」
「いや、でも……ひっ」
断ろうとしたら、黒澤くんの仲間に怖い顔で睨まれてしまった。
「祖母からも、お前に改めて礼をするよう頼まれてるんだ」
「……分かった。そういうことなら」
黒澤くんの仲間に睨まれたのもあるけれど。
黒澤くんの目がとても真剣で、彼の純粋な気持ちが伝わってきたから。
やっぱり、断ったら悪いなと思ってしまった。