黒澤くんの一途な愛
「……ここは、お前みたいな女が来るところじゃない。今すぐ出ていけ」
はい!?
「お前ら、行くぞ」
鋭い目つきで吐き捨てるように言うと、璃久という名の彼は、仲間を引き連れてさっさと歩いていく。
今日初めて会った私に、いきなり出ていけとか……一体何なの? あの人。
もしかして、私に退学しろってこと!? 意味が分からない。
私は、歩いていく彼の背中を睨みつける。
顔は良くても、第一印象は最悪!
「あー、黒澤やっべー」
「黒澤の奴、やっぱりかっけぇな」
ふとそんな声が聞こえてそちらに目をやると、先ほど私を取り囲んでいた不良男子たちが歩いていく彼らを羨望の眼差しで見つめていた。
「あの、黒澤ってもしかして……さっきの集団の先頭にいた、黒髪の男の子のこと?」
「ん? ああ、そうだけど?」
って、やば! 私ったらつい、青髪の鼻ピアスくんに聞いてしまった。
不良さんとは、なるべく関わりたくないのに……!