黒澤くんの一途な愛


「なんだよ、黒澤」


ケンカを止められた進藤くんが、黒澤くんを鋭い目つきで睨みつける。


「お前、栞里に当たったの気づいてねえのかよ!」

「は? そんなの知るかよ」


進藤くんは一瞬こちらをチラッと見たが、全く悪びれた様子はない。


「つーかお前、俺らの邪魔すんなよ」

「邪魔すんなよ、じゃねえよっ!」

「ああっ、痛てててっ」

「は、放してくれ!」


黒澤くんが、進藤くんと顎ピアス男子の腕を捻り上げた。


「お前たちがこの手でケンカしてたせいで、栞里は怪我したんだろうが!」


黒澤くんは容赦なく、不良の二人を同時に床へと投げ飛ばす。

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