黒澤くんの一途な愛
「栞里、怖かったよな? あんなところを見せてしまって、悪かった」
「ううん」
私は、ふるふると首を横に振る。
確かに怖かったし、暴力は良くないけど……黒澤くんは私のためを思って、進藤くんたちに立ち向かってくれたんだから。
「……ありがとう」
黒澤くんが守ってくれて、すごく嬉しかった。
「足首は? 痛くないか?」
「うん。腫れてはいるけど、そこまで痛くもないよ」
黒澤くんに余計な心配をかけたくなくて、私はなるべく笑顔で話す。
「ほら、普通に歩けるし……っ!」
歩こうとしたけど右足首に激痛が走り、バランスを崩してふらついてしまった。
そんな私を、黒澤くんが支えてくれる。
「やっぱり足、痛いんじゃねえか。無理すんな」
「む、無理してないよ」
「いや、してる。保健室行くぞ」
「わっ」
黒澤くんは半ば強引に、私をお姫様抱っこした。