黒澤くんの一途な愛
「俺も一緒に探す」
「でっ、でも。黒澤くんに、そこまで迷惑はかけられないよ!」
「いいよ、迷惑かけて。だって俺は……仮にでも栞里の彼氏だろ?」
「黒澤くん……」
何やってるんだって、呆れられると思ったのに。
「それと。お前は今、足を捻挫してるってこと、忘れるなよ?」
う。鍵のことで頭がいっぱいで、すっかり忘れてた。
思い出した途端、右足首がズキッと痛む。
「無茶して、もし悪化したらどうするんだ」
こんなときでも、私のことを心配してくれるなんて……。
私、黒澤くんの優しさに甘えちゃっても良いかな?
「ありがとう、黒澤くん。一緒に、我が家の鍵を探して下さい」
「もちろん。それじゃあ、学校戻るか」