黒澤くんの一途な愛
「えーっと、買うものはこれで全部かな?」
放課後。帰宅した私はお母さんに夕飯の買い物を頼まれ、私服姿で大通りを歩いていた。
ふふ。お母さんに、買い物のお釣りで好きな物を買って良いって言われたから。
デザートに、ちょっと高めのプリンを買っちゃった。
早く帰って、プリン食べよう。
そんなことを考えながら、私が家へと向かって大通りを歩いていたときだった。
私の数メートル先を歩いていた白髪のおばあさんが、反対方向から歩いてきた柄の悪そうな銀髪の男子高校生とぶつかり、転倒するのが見えた。
「おい、ばあさん。どこ見て歩いてんだよ!?」
道端に尻もちをついたおばあさんに、銀髪男子が怒鳴り散らす。