黒澤くんの一途な愛
7. 思わぬ再会
数日後。
「ねぇ、黒澤くん」
学校の休み時間。私は、机に突っ伏していた黒澤くんに声をかけた。
「どうした?」
「黒澤くんに、この間のお礼をさせて欲しいんだけど……」
「お礼?」
「うん。捻挫した私を保健室に連れて行って、手当してくれたでしょ? あと、家の鍵を一緒に探してくれたお礼」
あの日、黒澤くんには色々とお世話になったから。
一度、ちゃんとお礼がしたいと思った。
「いいよ、そんなの」
「遠慮しないで? 私にできることなら、何でもするから」
「何でも……?」
黒澤くんの黒目がちの瞳が、真っ直ぐ私を見据える。
「それじゃあ……俺とデートして」
「デ、デート!?」
予想外な言葉に、素っ頓狂な声をあげてしまう。
「ああ。栞里、俺に何でもしてくれるんだろ?」
黒澤くんの唇の端が、くいっと上がる。
「そ、そうだけど……」
黒澤くんのこの顔、何か嫌な予感が。
「よし。じゃあ、決まりだな。今日の放課後、デートするってことで」