黒澤くんの一途な愛
「悪い悪い。リンゴみたいで、可愛いなって思って」
黒澤くんの言葉に、胸がドクンと高鳴る。
この間は、『何でもない』ってはぐらかされたけど。
『可愛い』って、今日はハッキリと言ってくれた。
どうしよう。たとえお世辞だとしても、黒澤くんに可愛いって言われたら、天にも昇る心地だよ。
「リ、リンゴみたいって、言い直してもダメだから」
「ほんと悪かったって。俺のポテトやるから、機嫌直せ」
黒澤くんが笑いながら、自分のポテトを私にあーんしてくる。
黒澤くんに笑顔を向けられたら、何も言えないよ。
普段はどちらかというとクールな黒澤くんの笑顔に、もしかしたら私は弱いのかもしれない。
黒澤くんに食べさせてもらったポテトも、そのあと彼と一緒に食べたハンバーガーも、いつにも増して美味しく感じた。