黒澤くんの一途な愛
透くんは、私が昔通っていた小学校で一緒だった、1歳年上の男の子。
当時、同じマンションに住んでいたこともあり、学年は違うけど、透くんとはよく一緒に遊んでいた。
透くんは、優しくて頭が良かったから。
学校の勉強も、よく彼に教えてもらっていた。
東小学校は、こことは別の県にある学校だから。
まさかこんなところで偶然、昔の知り合いと再会するなんて……!
「久しぶりだね、透くん!」
「久しぶり。栞里ちゃん、元気だった?」
「うん。元気だよ。透くんと会うのは、6年ぶりくらいだっけ?」
思わぬ再会が嬉しくて、自然と声も弾む。
「透くん、よく私だってすぐに気づいてくれたね!?」
「そりゃあ、分かるよ。あの頃は、毎日のように一緒に遊んでたし。あれから何年か経っても、相変わらず栞里ちゃんは可愛かったから」
え……!?
「そ、そうかな?」
透くんの言葉に、心臓が騒ぐ。
「そういや透くん、昔は今みたいに左目が前髪で隠れてはいなかったけど……どうしたの?」
「あー……」
透くんの顔が、わずかに曇った。