初恋を君と 短編集
ーーー

「ねぇねぇ祐馬くんっ…!」「……何」




あれ?
なんかいつもと反応違うな……,

いつも、基本的に無視なのに。

「いつもありがとっ…!」「え?」

目を細めて声に出す祐馬くん。
これって驚いてるのかな…??



まぁ、いいや!


「いつも、めんどいわたしにも接してくれて
ありがとっ!」
「………どういたしまして」

ふふっ。心の中で私はにやける。
祐馬くん。大好きだよ!

祐馬side


自分はものすごい意気地無しだ。
なんで、昔のことすら怖くて言えないんだろうか。


多分、愛音に嫌われるのが、怖くて仕方がないんだろう。
自分こと好きでいてくれる事なんて、
望んでも、、意味の無い人だっているに
……な

愛音side

「……蒼。」

私は、学校の終わった放課後。
蒼を呼び出した。

「蒼。私やっぱ「待って…、、まだ。。。」

一向に蒼は目を合わせようとせず、下に俯き
苦しそうな声で言った。

ごめん。蒼。
私はそんな甘くないから……,


「私、蒼とはつきあえない。」

本当のことだ。何も揺らいじゃいない。

「私蒼のこと好きだよ?でもやっぱ恋愛とは違うし、祐馬くんのことしかわたし……




見えてないから」




私はキッパリ言い放った。
曖昧だと、蒼だって、…蒼のことが好きな人だって、つらいから。


私が言い終わって、少しの沈黙が続いた後に蒼は口を開いた。

「はは。愛音らしいや。……」

悲しそうに……だけど嬉しさが混じったような声で私に言い放った。

「蒼…」「俺、これからも愛音のこと好きだろうし、諦めないと思う。」

「………」「だけど愛音よりもっとすきになれるような人……見つけるから。」



「うん……」
「だから、それまでは、ゆっくりしててよ」

へへっと幼い頃の笑顔を私に見せて蒼は、
私の頭をそっと撫でた。


「蒼大好きだよ。ごめんなさい。
ありがとう……!」

私は蒼に最後抱きついてそう言った。
私はすぐ離れた。私の気持ちが割れないようにと

「愛音大好き…だったよ。」
彼は最後そう言って私に背を向けて帰って行った。


これで良かったんだ。

私も、この恋。
「締めくくろうかなー。」

私はただ蒼のいなくなった路地で
そう呟いた。

あの後どうなるかも知らずに呑気な顔でー
ーーー

祐馬side

「蒼。大好きだよ。」

1人の声が聞こえた。
その声はいつも聞くあの子の声で……。

俺が見た視線の先は、
1人の男に抱きついている''愛音''の姿があった

すっかり自惚れていたのが丸わかりだった。

『ずっと好きでいてくれると、思ってるんだ?頭はいいくせにほんとそーゆー所駄目ね』


え?誰がそんなこと言った?
俺は知らない。

そうだ、、あの時だ。
自分の本当の好きな人がいるにもかかわらず、1人の女子と付き合った事があった。

あの時は、母親がいなくなって自暴自棄だったからだ。

母親はそんなこと望んでないのに。
俺が冷めた行動を彼女に取った時だった。

「あたしのこと好きじゃないんでしょ」
「すきだよ。」

嘘を話しながら呟く。

「あんた頭いいくせにわかんないんだ。付き合ってたあたしガチバッッカみたい。。
顔と、頭だけじゃん。」


そう言ってはだけた服直し、俺の顔を一度も見ずに連れ込んだ俺の部屋から出て行った。


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