初恋を君と 短編集
♡♡♡

「落ち着いたかしら?愛音。」
「う、うん。」

お母さんは、私にホットミルクを差し出した。

あったかい。。
いつもの優しい味。。

「今日は休んでよかったわね。」

「…………」


お母さんはやっぱ優し…

「愛音。好きな事…諦めたい?」「………ずっと好きでいたい。」


私はずっと祐馬くんが好きだ。
「ふふやっぱ私に似てるわねぇ…。じゃあずっと好きでいたら?」


え、諦めろって言わないの?


「私のお友達の旦那さんも、似てる感じなのかしら確かそうだわ」

その話いわく。


旦那さんは奥さんのことが好きで、告白を何度も告白した。けど、返事はなし。だけど、
その人と婚約が決まった。でもやっぱり脈なし。だから、自分だけ好きでいようと言う事にした。



やっぱり好かれていないのは苦しい。けれど
その人を見られるだけで幸せだって。
思った。
 
と言う話だった。

「ねぇ……好きでいられるってとてもすごいことなのよ。」

「だから、自信もって……?そんな貴方を好きになってくれる人はたくさんいるわ」

「お母さん………」

わたしはお母さんに昔みたいに抱きついた。

そうだ……わたしは愛することが出来るんだ
わたしずっとずっと君のことが大好きでいたい。


♡♡♡

その次の日は学校に行った。
心配させる訳には行かないし…

あれ…?藍子?

なんであんなに走ってこっちに来てるの?
「愛音っ………!!」


「藍子、おはよ、昨日休んじゃった」

「うん、今日は来てくれてよかっ…て違う!
柚子日がっ!!」

「祐馬くんが…………何、どうしたの?」

聞かなきゃ……、良かった…かなぁ、

「柚子日が…!!」




''婚約者が出来た。''

他の声で掻き消されてる……けど口パクでなんとかわかった。

「………っ、うそだ…」

うそだって、言ってよ。

「政略結婚するとか、なんとか…」


「……うそだって…言ってよ、…っ。」

悲痛の叫びがずっと心の中で広がっていた。


♡♡♡



祐馬side
最後に愛音と話した日。告白された日の夜だった。


「お前には政略結婚してもらう。」


は?。父さん何言ってんだ?
院長の息子で、自分で言うのもなんだが、容姿も綺麗な方だった。


告白もされることが多かった。
どうせ望ままない結婚をすると前々。。子供の頃からずっと思っていた。


晴れたあの日のこと。

『行かないでぇ……!愛ちゃああんっ……!!!』


「うるさ。。」

小学2年生の頃昔から父さんを見て医者になろうと思っていた、、いや、なると思っていた。


だから今日も本を読んでいたんだ。だけど、なんでこんなにうるさいんだ?


そう思い声のほうへ向かった。
「っ……ひっく。。ひっくっ……」

泣いてる女の子の姿があった。

その時、突如思ってしまったんだ。
その子を守りたいって……

「なまえ、なんて言うの?」
「…?わたし愛音!」「うんよろしく…愛音」
無我夢中で彼女に話しかけたんだ。



「わたし、ゆーまくんだーいすきっ…!」「…僕もすき」

「わたしがおーきくなったら、けっこんしようね?」「……」

俺は答えられなかった。大好きな彼女と結婚できないのが
両親を見てわかっていたから。


両親は政略結婚だった。俺の見る目も父親は冷めていた。
母親は、愛情いっぱいに俺を育ててくれたが、父親を見る目はいつも、鋭く悲しい目だった。



俺もこうなるのかと思っていたから。


「僕が立派になったら、愛音を迎えにくるからね!」
「え……いなくなっちゃうの?」

「ううん。でも、遠くに行っちゃうかも……」「じゃあ私は!」

すくっと立ち上がって、


「ゆーまくんに合ういい女になるんだからっ……!!」
「わたしがぜったいゆうまくんを見つけるよ!!」


「っ……!うん!!」



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