初恋を君と 短編集

 
「ふんふふんふふーん」「っ…はぁはぁ……愛音……早いって」

肩で息をする藍子。わーー!申し訳ない……
「ごめん…っ!!」「んぅ……許す。可愛いなこいつは…」

「へ?……行こっ……ってあれ……?」


あの後ろ姿………わかるっ
私は思いっきり足を踏み切って走り始めた。
「ちょまっ、愛音っ!!!!」

(愛音の暴走は誰にも止めることができません)

「柚子日くん……!」
私の大好きな彼の姿が私の目に映った。

「お前は…………はぁ」
溜め息した?したね柚子日くん。。
まぁ……傷つかないよ。。慣れたもん………

いやでも………やっぱ傷つくよ……

「えっと……おはよう…!」


「……」
無視ですか………とほほ……

私が話していても、彼は難しそうな医学書を読んでいて目もくれない。

「無視はもう慣れたもん!……いや、やっぱ傷つくよ……!」

自分でもよく分からないけど意地を張ってそう言った。

やっぱ無視かぁ……

「傷つくくらいなら話しかけんな。」

私の顔を見ずに本を読みながらそう言う彼。

わぉ。鋭い一言コメント。

でも、さ……無理だよっ……
柚子日くんのこと………本当に
「……好きだから、、しょうがないでしょ……」


「………なんだそれ……はぁ」
呆れたように溜息をつく柚子日くんの姿。

いま私は笑顔でいられただろうか。

唯一の私の笑顔が無ければ
柚子日くんのことを好きにさせることなんてね100%無理だし………って言うか、

もう、この時点でもう無理かぁ……
……諦めの悪い女だなぁ……


我ながら自分の事を笑ってしまう。

でも3年前のあの日から君以外に行く時なんてなかった…。

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