初恋を君と 短編集


「真奈!」

「え……」

今日はよく弥生くんと話すなぁ……


「あ、本橋。真奈の合コン参加なしで」

美也子は、真剣に私をグッと見つめてから
へんじした。

「………、うん、真奈!またね!」

「え、ちょ………っていないしぃ〜…」
「真奈。なんで合コン行こうとすんの。」


「………だ、って……」



でも、言えない。
言いたくないもん。

「言えって。ほら。」



目を逸らして下を向いたのに、顎に手を添えられて目を合わせられる。

俺様になる時の弥生くんはキケンだ。
体のどこかが逃げろって言ってる。

「……っ、」「黙っててもわかんねー、」
「だって、だって………っ、弥生くんずっと遊んでるしっ………、わたしばっかり嫉妬して………っ、行けば、気ひけると思ったんだもんっ………!!」

「真奈、」

「つらいよ……っ、わたしばっかり好きで好きで………っ、」

止まんない、いつの間にか言うつもりのなかった言葉まで
たくさん言っていた。


キライだ。自分も、弥生くんもぜんぶ、

「真奈、もう、言わなくていいから、」

ぎゅっと抱きしめられる。
溜まった涙が一気に溢れた。

「ごめん、真奈。俺真奈に嫉妬してほしくて。真奈のことめっちゃ好きだから、
ほんとにごめん、」

「………っ、ぅ……、」
「真奈大好き、だから、別れるとか言わないで。お願い。」


わかんない、わかんないよっ…
今聞いてることが本当か受け止められない
の………っ

私が信じられないんじゃないの…?
試してたって、ことじゃないの……?


「………っ、もう、しんじらんないもんっ
やだっ………、別れるっ………、」

「…………、真奈。俺のこと嫌い?」
「……、好きで好きで仕方ないよっ……、」


「じゃ、どうして別れたいの?」


「だって、振り回されてばっかで辛……い」



ほんとは、別れたくなんてないよ、

< 24 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop