初恋を君と 短編集
「真奈!」
「え……」
今日はよく弥生くんと話すなぁ……
「あ、本橋。真奈の合コン参加なしで」
美也子は、真剣に私をグッと見つめてから
へんじした。
「………、うん、真奈!またね!」
「え、ちょ………っていないしぃ〜…」
「真奈。なんで合コン行こうとすんの。」
「………だ、って……」
でも、言えない。
言いたくないもん。
「言えって。ほら。」
目を逸らして下を向いたのに、顎に手を添えられて目を合わせられる。
俺様になる時の弥生くんはキケンだ。
体のどこかが逃げろって言ってる。
「……っ、」「黙っててもわかんねー、」
「だって、だって………っ、弥生くんずっと遊んでるしっ………、わたしばっかり嫉妬して………っ、行けば、気ひけると思ったんだもんっ………!!」
「真奈、」
「つらいよ……っ、わたしばっかり好きで好きで………っ、」
止まんない、いつの間にか言うつもりのなかった言葉まで
たくさん言っていた。
キライだ。自分も、弥生くんもぜんぶ、
「真奈、もう、言わなくていいから、」
ぎゅっと抱きしめられる。
溜まった涙が一気に溢れた。
「ごめん、真奈。俺真奈に嫉妬してほしくて。真奈のことめっちゃ好きだから、
ほんとにごめん、」
「………っ、ぅ……、」
「真奈大好き、だから、別れるとか言わないで。お願い。」
わかんない、わかんないよっ…
今聞いてることが本当か受け止められない
の………っ
私が信じられないんじゃないの…?
試してたって、ことじゃないの……?
「………っ、もう、しんじらんないもんっ
やだっ………、別れるっ………、」
「…………、真奈。俺のこと嫌い?」
「……、好きで好きで仕方ないよっ……、」
「じゃ、どうして別れたいの?」
「だって、振り回されてばっかで辛……い」
ほんとは、別れたくなんてないよ、