初恋を君と 短編集
「ごめん、それは俺が悪かった。真奈に嫉妬してほしくて、付き合ってても続けてた。

俺、真奈のことしか好きじゃない。」
「じゃ、わたしのこときけ…る?」



「全部聞く。」

「女の子の連絡先全部消してくれる……?」

こんなつもりなくて。でも、この遊び期間に"そーゆーコト"
で増えているのは確実だ。

それが、どうしても苦しかった。でも、
言ってる自分も苦しかった。


やっぱいいよ、って言おうとした時。


「やっぱ、ごめ、「元々なかったし、履き歴も……ん、消した。これで真奈俺と一緒にいてくれる?」


「俺の真奈なのに他の男に取られるとかまじ無理だから、」

「……………っ、」

期待させること言わないでよ。
嫌いになれないから。



「真奈。。」

愛おしそうに私の名前を呼ぶ君が、憎くて、でもそれ以上に嬉しくて。


「、俺真奈のこと好き。遊ぶとかクソみたいなこともうしない絶対にしないから……
俺の彼女でいて。」

こんなの、普通の人なら許せないかもしれない。
わたしは、必死に未来の自分のために消そうと嫌いだと心の中で言い続ける。

嫌い、嫌い………嫌い。
   

心の入ってない心の声。棒読みすぎて、
わたしは結局諦める。


「、弥生くん。私、弥生くんのこと嫌いに…
なれな……いっ……、」

「うん。俺だってどんなに真奈が遊んでても嫌いになれなくてずっと好きだと思う」

「…………、でも、」

「………真奈。改めて言うね。俺真奈のこと好き。もう、こんなことして試さないから。お願いだから一緒にいて、」

「…………っ、ぅは……いっ、」


涙が流れていくのがだんだん止まっていく。

「好き、好き。真奈。好きだよ。」


「………っ、私も弥生くん好きっ…」


「あ゛ーかわい………、キスしたい」
「……えっ………」


「やだ?」

「や、やだじゃない………!」
「じゃ、手、首に回して。」


「うん……っ、」



ずっとキスしたいと思ってた。
もう、できないと思ってた。



「……んっ…!」


優しく触れる唇。
  
でもそれも儚く散る。

「……、やだ。もっとする……っ!」

「………っ、煽るな。」
「…キライ、?」


「…………、わがままちゃんだね。」

そういいながら優しくてでも深いキスをしてくれる君。

「……っ、はぁ……」
「真奈、」



上を向いて顔を見る。



「愛してるよ。」




耳に囁かれた愛の言葉は、ずっと
離れなかった。



END
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