初恋を君と 短編集
超短編 痛いくらいに君が好き
わたしには彼氏がいる。

イケメン、高身長、高スペック。
しかも人当たりがとてもいい。

         サクマ ユウヤ
誰もが憧れる存在。溯間 祐也

それに比べて、

低身長、腰近くまである茶色の髪の毛。
他の女子と比べても特に可愛くもない
ふつーの顔。

            
それが彼女であるわたし、富士宮 有栖。

そろそろ付き合い始めて2ヶ月が経とうとしている。
なんも変わってない。
むしろ付き合う前より、話さなくなったし、なんもしなくなっちゃった。


わたしはいつも通り昼休みを友達と過ごしていた。



「もー、最近ずっと元気ないし、辛気臭い顔ずっとしてるよ?」


「あ、ごめん……」


親友 真希の注意(?)を聞いてさらに落ちこんだ。

「何があったの?話しなよ聞くからさ」

真希は背中をさする。

「わたし付き合ってる意味あるのかな…「え?」

少し食い気味で真希が声を上げる。


まぁ、驚くよね………

私たちは今高校2年生。今の高校は、裕也くんがいるから入ったし、

何より私は祐也くんのことが好きすぎるだもん。、
やっと叶ったって言うのに、ね。

ガタッと音をあげて、真希は立ち上がる。
「ドドドド、どうしたの!!??嫌なことされた?すぐぶん殴りにいくよ!!!」

「いや、祐也くんそんなことする人じゃないよ?」



私は苦笑しながら立った真希を落ち着かせる。

食堂のカフェテリアにいたから、周りの人もすごくびっくりしている。


「ででで、でもっ……!!あいつとやっと付き合えて嬉しがってたじゃん!!!
どうして、、有栖が……??」


焦りながら言う真希はとても落ち着ける状態じゃなくて、私の手を掴んだ力はどんどん
増していく。

「あのね、真希。祐也くんのことが嫌になったんじゃないよ?ただ、その自分勝手だけど
私が嫌になっちゃったの……」

真希は、どういうこと?と首を傾げる。


「なんか、私には笑いかけてくれないのに
ほかの女の子には笑いかけるし、、
ちょっと……イラッてきちゃって……?
どんどん心が黒くなってその……嫌われて別れようみたいになったら嫌だから……」

さっきまでの切羽詰った顔はどこに行ったのか……真希は


「………ぷっ……」

耐えれないのか笑いの声を出す。

「な、なんで笑うのっ…!私は至って真剣なのに……」


「ごめんっ……ふふっ.そっか……、
有栖ったら、あの恋愛初心者から………」

「え???」

どういうこと?と言う視線を投げても、
ずっと笑っている真希。


「もうっ!笑わないでよね!」


私は、前よりちょっと明るい声が出た。


真希に話したからちょっと気が楽になったみたい。

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