*恋わずらい*
‘転校生って
こんな気持ちだったんだ―’
初めて教室に入った時
実感した。
アタシを見てざわつく教室。
こないだまでは
アタシがそっち側。
男の子がいいね~
とか勝手に友達と妄想を
膨らまして微妙だったら
露骨にため息。
今思い出したら
悪いことしちゃった。
先生が私の名前を黒板に書く。
「静かにっ。今日から新しくこの学校に転校してきた香坂 美紗さんだ。なかよくしてやってくれなあ」
先生は簡単にそれだけゆうと「席そこだから」と出席番号順の席を指差した。
そこに行くまでで
アタシはちょっとした
芸能人の気分。
皆がアタシをじろじろみる。
‘そんなに珍しいかよっ’
みたいな感じ。
「そんじゃあHR始めるぞ-」
アタシが席に着くと
さっそくHRが始まった。