ただ、守りたかっただけなのに



朔の方へと歩み寄ってくる響平。


「遅かったな、そしてノックをしてから入るのが常識だ。
お前は常識という言葉を知らないのか」

さすがに職員室だからなのか、声を抑えて愚痴を言う響平。



思い切り顔を顰める朔。

「いや、知ってるけど」



その態度にイラついたのか、それを我慢するように、響平は深く息を吐き出す。

「いや、知らないね。
先生には敬語を使うべきだろう。
お前には常識のj(ジェー)の字もなさそうだな。」



「はぁ、…?」

面倒くさそうにため息をつく朔。









あまり分かっていなさそうな朔の返答に苛立ち、舌打ちをする響平。


「おい、場所移動するぞ、藤崎。」



それに対してだるそうにため息をつく朔

「はいはい」


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