ただ、守りたかっただけなのに





「ひぃ」

小さな、悲鳴が口からもれ、みっともなく体を震わせる響平。






「今日家帰ったら…、

久しぶりに、()りあおっか」




満面の笑みを浮かべながら、響平の方を向く朔。

「お前も一緒に…、な」




ひぃ、と響平の口から、またみっともない声が漏れる。

そして彼は、まるで恐怖の塊を目に前にしたかのような…、そんな、絶望の顔をした。






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