ただ、守りたかっただけなのに
さて、話は変わるが、彼女は机に向かって何をしているのか?
“サンドブラスト”
この言葉を、聞いたことがあるだろうか?
彼女の場合は、この“サンドブラスト”と言う技術を使って、陶器などに模様をつける、と言う仕事をしている。
まあ、簡単に説明すると、
コップなどに分厚いシールを貼り、模様の部分だけをカッターで切り出す。
そしてそれに強く砂を当てると、シールがない部分だけが曇りガラスのようになり、模様ができる、と言う仕組みだ。
その、シールを切り出す段階で、細かく、繊細な模様を切り出すには、かなりの技術が必要になる。
それを彼女は、鼻歌まじりに、とても楽しそうに作業をしている。
よほど好きなのだろう。
この作業が。