ただ、守りたかっただけなのに

*****

一方で、一ノ瀬家 (柚葵の家) では。



2面鏡張りの部屋。



1人の女性がポップな音楽をかけて踊っている。

普通の人が踊ったら、グダグダなダンスになってしまいそうなものを、とてもかっこよく踊っている。



彼女は一ノ瀬希愛(いちのせ のあ)

柚葵の母親だ。

シュートカットに金髪の彼女は、とても端正な顔立ちをしている。

彼女は恋菜と同じく37歳だが、希愛はどちらかというと大人っぽい顔立ちだ。



希愛は一度踊ることをやめ、音楽を止める。

彼女は床に座り込んでペットボトルの水を飲み、長いため息をつく。




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