ただ、守りたかっただけなのに
「なんだなんだぁ?なんか、面白そうなことになってんねぇ!!」
と、いきなり希愛が開きっぱなしだったリビングのドアから顔を出す。
いきなりの希愛の登場に、柚葵を除いた全員が、ポカーン、とする。
「あぁ、母さん。やっと来たか…」
そう、希愛をここに呼び出したのは、柚葵だったのだ。
柚葵の言葉を無視し、朔の方を向く希愛。
「朔くん、ひさしぶりぃ〜!燃えてるねぇ!!」
朔の肩をバシバシと叩きながら、ケタケタと笑う希愛。
不愉快そうな顔を一瞬だけ覗かせた朔だが、すぐにニヤリ、と怪しげな笑みを浮かべる。