ただ、守りたかっただけなのに

*****

一方で、恋菜と響平は、というと…




下を向いて、すっかり落ち込んでしまった響平。


その真ん前に、微笑みをたたえながらも響平を睨む恋菜がいる。

彼女はゆっくりとしゃがんで響平を見つめる。

自分との約束を守ることができなかった、不甲斐ない弟に対して心底腹をたたているのだろう。

彼女の笑顔が、怖い。

蛇に睨まれた蛙状態になっている響平。




「響平、」
ゆっくりと、静かに言葉を発する恋菜。


「はぃ!」
反射で、情けない返事をする響平。


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