ただ、守りたかっただけなのに
次の瞬間、
ガラガラ…という音がして、扉が開く。
バッと、扉の方を見る生徒たち。
そこから、この2年Aクラスの担任で、国語科教師の白石響平が教室内に入ってくる。
「おーい、お前ら、早く席につけー!」
と、響平。
やばいやばい先生きたー、と言いながら、次々と席についていく生徒たち。
ガタガタと椅子を鳴らしながら、生徒たちが席につくと、やがて教室は静かになる。
「出席取るぞー。 いない奴いるか〜?」
響平の呼びかけに対して、1人の生徒が手を挙げる。
「せんせー、藤崎くんがいませーん!」
またかよ〜、とクラスがガヤガヤし出す。
「またどっか、ほっつき歩いてるんじゃない?」
と、苦笑いをする柚葵。