そばにいてくれるなら
ドンッ!!!!

がシャンッ!!!!



あたり一帯に響いた轟音と悲鳴に
強制的に思考が遮断された

何事かと、足を止め
顔を上げれば

前方にある交差点内で
自動車同士が正面衝突を起こしていた


現場は騒然としている


鳴り響くクラクションの音

ざわめく周囲の人達

割れた窓ガラスに

あちこちに飛び散った車の破片


乗っていた人達が
どうなっているのかは分からない

だけど

悲惨は状況が
目の前に広がっているのは確かだった



「…」



救助に向かったり

助けを呼んだり

野次馬の中で見物したり

足早にその場を立ち去ったり

呆然と立ち尽くしたり


たくさんの人が各々行動し、奔走する中


私は


その光景を目の当たりにした瞬間


立っていられないくらいの
衝撃に襲われて

歩道の真ん中に
崩れ落ちるように座り込んだ


道行く人の視線も声も
目に、耳に入らないくらいに

激しく、動揺していた


全身が震えて

どくんどくんと、心臓がうるさく騒ぐ

息が、うまく出来ない



頭の中に浮かぶ映像が

記憶が

私の恐怖に拍車をかける
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