そばにいてくれるなら
――……


「…そう、るい、話したんだ」

「……ごめんなさい、勝手に…」

「話したのはるいだし
それに、りつならいいよ」


昨日の、るいさんとのやりとりを
らいさんに話せば

らいさんは、特に気にする様子もなく
すんなりと受け入れた


「……らいさん、体は大丈夫なんですか?」

「うん。なんともない
るいも気にしてくれてるし」


るいさんの話を聞いて
少し心配していた私は
らいさんの返事に、安堵する


それから


「……あの、らいさん」

「ん?」


少し、ためらいながも、らいさんに訊ねた


「………櫂君、今、いますか?」


らいさんは、確かめるように
軽く視線を動かしてから、首を横に振った


「今は、いない」

「…そう、ですか」


ほっとしたような、残念なような、複雑な心境


「色んな人の様子、見に行ってるみたい
りつの両親の所とか、友達の所とか」

「…」

「るいとも、よく会ってるみたいだよ
仲いいみたい」

「そうですか」


幽霊になっても変わらず
面倒見が良くて、社交的な櫂君に
思わず、くすりと笑う

らいさんは、そんな私を見て
笑って言った


「でも、誰よりも長く、りつの傍にいる」

「……心配させちゃってるんですね」
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