そばにいてくれるなら
……不思議に思ってはいた

いつも、夕方か夜にしか会わないのに

今日は、お昼に会おうなんて
るいさんから言われたから

ふたりでピクニックしようなんて

私の手料理が食べたいなんて

るいさんが、普段言わないわがままを言うから



「…」


るいさんと過ごす最後の時間


お別れを察して

その言葉を聞いて


泣きそうになる私


るいさんは、いつものように
優しい笑顔を私に向けて

起き上がって
ぽんぽんと、私の頭を撫でる



「ありがとう、りっちゃん」


「俺も、らいも
きっと、きみを待ってたんだ」


「きみみたいな子と出会えるのを
ずっと待ってた」


「同じ痛みを知っていて
同じ立場で、目線で」



「一緒に、生きてくれる相手を」
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