そばにいてくれるなら
7
――……



「らいさん、そろそろ出ないと
間に合いませんよ」

「んー… もうちょっと…」


渋るらいさんの腕の中には
小さな子猫がいる

安心しきった顔で眠る
その姿はとても愛らしくて
離れがたくなるのも分かる


だけど、さすがに
時間がぎりぎり



「学校終わったら
また来ましょう。ね?」

「……うん」


らいさんを何とかなだめて
子猫を母猫のもとへと返す


「ありがとう
また、触らせてね」


母猫の頭を撫でながら言えば
返事をするように、にゃーと鳴いた


雑貨屋さんの奥さんに
挨拶をして、店を出る


らいさんは名残惜しそうに
何度も後ろを振り返ってる


心を鬼にして
その手を握って、急いで学校へ向かった
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