そばにいてくれるなら
店のドアには『close』の札がかけられている

あらかじめ
雑貨屋の奥さんに許可をもらっていた
私とらいさんは
そのまま、店のドアを開けて中に入る


「こんにちは
また、来ました」

「いらっしゃい
ゆっくりしていってね」

「ありがとうございます」


中にいた雑貨屋の奥さんに挨拶をする

奥さんは、私とらいさんが
ゆっくり子猫達と触れ合えるよう
気を遣って、2階へ上がっていった


お店がお休みの今日


母猫と、子猫達は
お店の一番日当たりの良い窓際で
日向ぼっこをしていた


子猫の姿を捉えるやいなや
らいさんは、瞳を耀かせる

嬉しそうな雰囲気を醸し出しながら
さっそく、子猫達のもとへ近付き
触れ合って、楽しんでいる


………かわいい


本当に、動物が大好きだなんだなぁ、と


小さな子供みたいに
喜ぶらいさんを見て

いつもの落ち着いた
大人びた姿とのギャップに、胸がときめく



らいさんの隣に移動して

寝っ転がって
気持ち良さそうに伸びをする子猫を
眺めながら、声をかける


「お迎え、もうすぐなんですよね」

「うん、来週」
< 65 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop