そばにいてくれるなら
外見が似てるわけじゃない
でも、度々、重なって見える瞬間がある
「…話し方とか、雰囲気とか」
落ちついた低い声、柔らかい話し方
優しく見守るような視線
慈愛に満ちた笑顔
包み込んでくれるような雰囲気、安心感
そういう、纏っている空気が似ていて
「そう」
「…あの、嫌になったら言ってください
意識して、直します」
「?なんで?直さなくていいよ」
「……だって、代わりにしてるみたいで」
……実際、そうしてる
私は兄の代わりを
寂しさを埋めてくれる
代わりの役を、この人に求めてる
出合って間もない
この人に押し付けてる
その厚意と優しさに甘えて
速水さんといるのに、速水さんじゃなくて
その後ろに見える人を見てる
実際に目の前にいる人に対して
失礼な事をしてしまっている
それは…良くないことだ
改めて、自分の行いを反省していると
ずっと、不思議そうな顔をして
私の事を見ていた速水さんは笑って言った
「別に、代わりにして貰っても構わないよ
それで、りっちゃんが少しでも楽になるなら」
「……速水さんは、優しすぎるの
やめた方がいいと思います」
「えー?」
「面倒な人に好かれちゃいますよ?」
「りっちゃんなら、いいよ」
「…」
からかうように言って笑う速水さん
……本当に優しすぎるのも考えものだと
不意をつかれて
赤く染まった顔を隠しながら、そう思った
でも、度々、重なって見える瞬間がある
「…話し方とか、雰囲気とか」
落ちついた低い声、柔らかい話し方
優しく見守るような視線
慈愛に満ちた笑顔
包み込んでくれるような雰囲気、安心感
そういう、纏っている空気が似ていて
「そう」
「…あの、嫌になったら言ってください
意識して、直します」
「?なんで?直さなくていいよ」
「……だって、代わりにしてるみたいで」
……実際、そうしてる
私は兄の代わりを
寂しさを埋めてくれる
代わりの役を、この人に求めてる
出合って間もない
この人に押し付けてる
その厚意と優しさに甘えて
速水さんといるのに、速水さんじゃなくて
その後ろに見える人を見てる
実際に目の前にいる人に対して
失礼な事をしてしまっている
それは…良くないことだ
改めて、自分の行いを反省していると
ずっと、不思議そうな顔をして
私の事を見ていた速水さんは笑って言った
「別に、代わりにして貰っても構わないよ
それで、りっちゃんが少しでも楽になるなら」
「……速水さんは、優しすぎるの
やめた方がいいと思います」
「えー?」
「面倒な人に好かれちゃいますよ?」
「りっちゃんなら、いいよ」
「…」
からかうように言って笑う速水さん
……本当に優しすぎるのも考えものだと
不意をつかれて
赤く染まった顔を隠しながら、そう思った