トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
椅子もきれいにして、すとんと座る。それと同時に先生が入ってきた。
「おはようございます。本日も一日がんばりましょう……あら、マーセルさんがこの時間からいるのは珍しいですね」
「おはようございます。ええ、今日は掃除が間に合いましたので」
掃除? ときょとんとした表情を浮かべる先生に、わたくしはにこりと微笑んでみせた。ちらりと先程までにやにやしていた人に視線を巡らせると、ちょっと顔から血の気が引いていた。……そんなに青ざめるなら、最初からやらなければ良いのにね。
それにしても、どうしてこんなに幼稚なことをしていたのかしら?
教室に一歩踏み込めば、なにかが飛んできて……きっとそれも、制服を汚すためのものだったのでしょう。制服の汚れを落とすために、彼女は授業に遅れていたのね、おそらく。
「それでは、授業を始めます」
先生がパンパンと両手を叩き、授業が始まった。
召使の授業って、どんな感じなのかしら?
いつもわたくしに仕えてくれていた侍女のことを思い出して、真剣に授業を受ける。
――思っていた以上に、楽しい授業だったわ。満足感がすごい。
召使と一言でまとめても、いろいろなタイプがあるのね。
「次は実技です。美味しい紅茶を淹れてみてください」
紅茶の淹れ方……いつも、侍女が淹れるように淹れたら良いのかしら?
人数も人数だから、わたくしの番がくるまで結構かかりそうね。
その予想通り、わたくしの番は最後だった。こそこそと笑うような声が耳に届く。
「おはようございます。本日も一日がんばりましょう……あら、マーセルさんがこの時間からいるのは珍しいですね」
「おはようございます。ええ、今日は掃除が間に合いましたので」
掃除? ときょとんとした表情を浮かべる先生に、わたくしはにこりと微笑んでみせた。ちらりと先程までにやにやしていた人に視線を巡らせると、ちょっと顔から血の気が引いていた。……そんなに青ざめるなら、最初からやらなければ良いのにね。
それにしても、どうしてこんなに幼稚なことをしていたのかしら?
教室に一歩踏み込めば、なにかが飛んできて……きっとそれも、制服を汚すためのものだったのでしょう。制服の汚れを落とすために、彼女は授業に遅れていたのね、おそらく。
「それでは、授業を始めます」
先生がパンパンと両手を叩き、授業が始まった。
召使の授業って、どんな感じなのかしら?
いつもわたくしに仕えてくれていた侍女のことを思い出して、真剣に授業を受ける。
――思っていた以上に、楽しい授業だったわ。満足感がすごい。
召使と一言でまとめても、いろいろなタイプがあるのね。
「次は実技です。美味しい紅茶を淹れてみてください」
紅茶の淹れ方……いつも、侍女が淹れるように淹れたら良いのかしら?
人数も人数だから、わたくしの番がくるまで結構かかりそうね。
その予想通り、わたくしの番は最後だった。こそこそと笑うような声が耳に届く。