【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
知りたくなかった真実。
「彼女は、公爵家の血を引いていない」
「それは、いったい……どういうこと、ですか……?」
声が、震えた。そんなわたくしをどう思ったのか、マティス殿下は、ぎゅっと抱きしめてきた。落ち着かせるようにぽんぽんと背中を叩く。
「私も一応、婚約者のことをきちんと理解しようと思ってね。調べたんだ。その結果、昔……それこそ、生まれて間もなく、男爵家と公爵家の子どもが入れ替わったという事実が出てね。そう、マーセル、きみだよ。……きみこそが、本当の公爵令嬢だったんだ」
わたくしが……公爵家の血を引いていない……?
「どうして入れ替わったのかはわからないが、カミラは本来マーセルが受ける恩恵を与えられていたんだ。きみがショックを受けるのもわかるよ。悔しいよね、カミラのことが憎いだろう? だから、待っていてほしい。カミラを地に落とす日を。そして、本来の婚約者であるきみを、娶る日を」
マティス殿下が、毒のような言葉を口にした。
わたくしは呆然として力が抜け、身体がふらついた。三人が心配そうに見ていることに気付いたけれど、カタカタと震えることしかできない。
「こ、公爵家の方は、そのことをご存知なのですか……?」
「ああ、知っているとも。血が繋がっていないからこそ、カミラを完璧な公爵令嬢に仕立て上げようとしているんだ」
だからなの?
だから、わたくしは家族に愛されていなかったの?
カタカタと震えるわたくしに、マティス殿下がぽんぽんと背中を叩く。クロエがそれを見て、一度大きく息を吸い込んでから、彼の腕を掴む。
「それは、いったい……どういうこと、ですか……?」
声が、震えた。そんなわたくしをどう思ったのか、マティス殿下は、ぎゅっと抱きしめてきた。落ち着かせるようにぽんぽんと背中を叩く。
「私も一応、婚約者のことをきちんと理解しようと思ってね。調べたんだ。その結果、昔……それこそ、生まれて間もなく、男爵家と公爵家の子どもが入れ替わったという事実が出てね。そう、マーセル、きみだよ。……きみこそが、本当の公爵令嬢だったんだ」
わたくしが……公爵家の血を引いていない……?
「どうして入れ替わったのかはわからないが、カミラは本来マーセルが受ける恩恵を与えられていたんだ。きみがショックを受けるのもわかるよ。悔しいよね、カミラのことが憎いだろう? だから、待っていてほしい。カミラを地に落とす日を。そして、本来の婚約者であるきみを、娶る日を」
マティス殿下が、毒のような言葉を口にした。
わたくしは呆然として力が抜け、身体がふらついた。三人が心配そうに見ていることに気付いたけれど、カタカタと震えることしかできない。
「こ、公爵家の方は、そのことをご存知なのですか……?」
「ああ、知っているとも。血が繋がっていないからこそ、カミラを完璧な公爵令嬢に仕立て上げようとしているんだ」
だからなの?
だから、わたくしは家族に愛されていなかったの?
カタカタと震えるわたくしに、マティス殿下がぽんぽんと背中を叩く。クロエがそれを見て、一度大きく息を吸い込んでから、彼の腕を掴む。