トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
その声を聞いて、急いで扉を開けた。たった数日。……数日しか経っていないのに、やつれた顔をした『わたくし』がそこに立っている。
どうやってあの部屋から抜け出してきたのかしら。ぼさぼさの髪にところどころほつれたドレスを身にまとった彼女は、部屋の中に入るなりずるずると座り込んでしまった。
「マーセル、よく無事だったわね……」
「カミラさま……あの家族はなんなんですか! 人を物のように扱って! アレでも家族なんですか!?」
……ああ、やっぱりそういう扱いを受けていたのね。そして、ぎゅっとわたくしの手を握る。
「ずっと、ずっと……あんな家族のもとで、暮らしてきたんですか……?」
同情なのか、それとも……なにか思うことがあったのかしら? マーセルはわたくしのことをどう判断したのか、少し気になるところではあるけれど……わたくしはとりあえず彼女を立たせて、ベッドに座らせた。
あまりにもボロボロの姿だったから、見ていられなくて。
「公爵家は相変わらずなのね」
自分で自分の髪を整えるのって、複雑な気分だわ。櫛を取り出してさっさと毛先のほうから梳いていく。毛先から徐々に上のほうへと。あの部屋に閉じ込められていたからか、少しぎしぎししている気がする。
どうやってあの部屋から抜け出してきたのかしら。ぼさぼさの髪にところどころほつれたドレスを身にまとった彼女は、部屋の中に入るなりずるずると座り込んでしまった。
「マーセル、よく無事だったわね……」
「カミラさま……あの家族はなんなんですか! 人を物のように扱って! アレでも家族なんですか!?」
……ああ、やっぱりそういう扱いを受けていたのね。そして、ぎゅっとわたくしの手を握る。
「ずっと、ずっと……あんな家族のもとで、暮らしてきたんですか……?」
同情なのか、それとも……なにか思うことがあったのかしら? マーセルはわたくしのことをどう判断したのか、少し気になるところではあるけれど……わたくしはとりあえず彼女を立たせて、ベッドに座らせた。
あまりにもボロボロの姿だったから、見ていられなくて。
「公爵家は相変わらずなのね」
自分で自分の髪を整えるのって、複雑な気分だわ。櫛を取り出してさっさと毛先のほうから梳いていく。毛先から徐々に上のほうへと。あの部屋に閉じ込められていたからか、少しぎしぎししている気がする。