不思議少女と美青年
今日は、病院に行かないと…もう薬がない…
雪花は学校が違うが、言っておかないと心配するので、病院に行くから学校を休むと雪花に伝えてから、外出した。
最近は寒くなってきた。もう冬だ。冷たい風が気管を刺激して、軽く喘鳴が聞こえるがいつものことだ。
病院に入って診察を待つとすぐに呼ばれてしまった。そして、目の前にいるのは主治医の悠先生。黒縁の眼鏡にスッとした顔立ちで綺麗な顔をし、スクラブ姿で白衣を椅子にかけている。
悠「今日はどうした?」
千「発作…昨日…」
病院怖い…
病院は苦手なのだ。でも、発作が多くて薬を使い切ってしまった。薬がないと苦しいだけだから…
検診後に何回か能力も使ったせいで発作を起こしていて、怒られるのがわかってるとより怖い…
悠「そっか。ちゃんと病院来て偉いね。怖くないよ、大丈夫だよ。大丈夫。」
怖がっているのを知っているから私に優しく声をかけ頭を撫でてくれる先生の声が聞こえた。
大丈夫と心の中で唱えて、落ち着きを取り戻す。
千「先生ありがと。」
悠「ん。じゃ、本題だけど、今苦しい?聴診しなくても喘鳴聞こえるんだけど。」
千「ちょっと。でも、これくらいいつものことだよ。」
悠「いつもって…」
困った顔の先生。
悠「ちょっと診察するよ?深呼吸しててね。」
聴診器を隙間から滑らせて診察をされる。
…ちょっと長い。
千「先生?」
悠「…はぁ。また無理をして。」
そう言って聴診器を外される。
やばい先生怒ってるかも…
千「ごめん…」
悠「ごめんじゃないよ?発作昨日だけじゃないよね?普通に悪化してる。喘鳴聞こえるのがいつもって結構だよ?発作出たら翌日病院って俺何度も言ってるよね?無理して辛いのは千咲だよ?」
千「ごめんなさい…」