不思議少女と美青年
悠「とりあえず、隣の部屋で吸入してきて。」
千「はい…」
大人しく吸入を受けて、診察室に戻り、もう一度聴診される。
悠「ん、さっきよりはましかな。」
悠「それでどうしてこんな検診の時より悪化してるの?」
めっちゃ怒ってる…ちゃんと答えないとこれ以上怒っちゃう…
千「だって苦しそうにしてたから…」
悠「もしかして能力使った?何回?」
千「2回」
実は、滅多に使わないが怪我をした猫と施設の子が病気になってつかってしまった。
唯一私の能力を知ってる先生。
悠「使っちゃダメだって俺言ったよね?本当に死ぬよ?だから前回の検診から2週間しかたってないのにこんなになってるわけか…んー、薬残ってる分出して。」
千「薬もうなくて…」
悠「は??え、全部使った?吸入器も?」
先生驚いてる…
千「うん…」
悠「はぁ…もうわかった。ちょっと待ってて。」
先生が電話でどこかにかけ始めて、少し話すとすぐ切ってしまった。
悠「お待たせ。じゃ、移動しよ。いつもの部屋行くよ。」
千「え?」
先生なんか受け入れたくないこと言った気がする…
悠「ん?」
千「いつもの部屋って?」
悠「いつも入院してる部屋空いてるから。」
千「入院しないよ?!」
悠「こんな身体で帰れるわけないだろ」
そう言って、手を引かれて病室まで連れて行かれた。男の人の力に勝てるわけない。
ベッドに座らせられ、横に先生が腰掛ける。
千「やだ…」
悠「諦めなさい。こんな身体で帰せない。自分だって身体しんどいでしょ?発作だっていつ出てもおかしくないよ。当分安静。点滴とか用意してくるから。わかった?」
千「…はい。」
普通に考えれば今日帰してもらえるわけなかったのに考え甘かった…
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