溺愛銃弾 〜スィート・マジェスティ~
Sweet Majesty
「全くね、奥さんも娘も可愛すぎて僕の身が持たない。どうしてくれるの」

予定日より一日早い10月24日に生まれて、二ヶ月になる一花(いちか)に頬ずりしながら蕩けてる16歳上の旦那様、陶史郎(とうしろう)さん。

どっち似かの話になると、自分の顔と比べても基準がよくわからない。支倉(はせくら)のお義母さんと、陶史郎さんの右腕の玉置さんは父親似だって言い切ってるし、当のお父さんは『どこをどう取っても僕の(いつき)に瓜二つ』って譲らない。

・・・人間的なところが自分に似なかったらどっちでもいいと思うけど、見た目はそんなに重要なのかな?よくわからない。

世間はもうじきクリスマスで、家族三人の初クリスマスだって一番はしゃいでるのも陶史郎さん。毎年クリスマスはどうしてたっけ。記憶をたどる。

・・・・・・気が付くとベッドの中で陶史郎さんに色んなことされて、気が付いたら朝になってる。気がする。

光るツリーや、愛嬌のあるトナカイのぬいぐるみは、一花の瞳にどう映ってるかな。ほんの少しでも憶えててくれたら、陶史郎さんはもっと幸せだろうな。
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