溺愛銃弾 〜スィート・マジェスティ~
陶史郎さんがずっと幸せでいられるように、一花が毎年クリスマスを楽しみに待てるように、自分が考えなくちゃ。今までもらうばっかりで、何んにもあげてなかったから、これからは。

そうだ、お義母さんと玉置さんも一緒にクリスマス。どうかな。・・・一度も一花に会ってくれないお義父さんは、やっぱり無理かな。胸の奥でそっと溜息を逃す。

支倉組の跡継ぎが“沢崎の娘”と結婚するのも反対だったし、生まれたのが女の子でさらに見向きもされない。それに怒ってる陶史郎さんは、お義父さんの話をいっさいしない。存在してないみたいに。

『もともと若は組長と反りが合わないんです。・・・樹さんのせいじゃありませんよ』

玉置さんが前に言ってくれた。

親子が本当はどういうものかよく分からないし、陶史郎さんの為にできることがあるなら、なんでもする。ただ。悪いひとはどこにもいない。・・・と思った。

(いつき)、昼寝しておいで。一時間経ったら起こすから交代して」

抱っこした一花をあやしながら陶史郎さんが優しく笑う。夜泣きで少ししか寝てないから、お昼を食べた後はどんどん睡魔に勝てなくなる。

「じゃあ・・・そうする。ありがとう」
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